スキル確認チェックシートとは?
今のあなたが「フリーランスエンジニアとして独立できるか」を判断するためのチェックシートです。
僕自身、独立して働く中で「フリーランスって、これくらいのスキルがあれば大丈夫なんだな」と感じた部分をチェックリスト化しています。
また現在は、フリーランスエンジニアの方の採用面談にも参加していますが、
その際にも1つの指標にしている基準です。
将来的にフリーランスになりたい方は、
このチェックシートを参考に今後のスキルアップ計画などにも役立てていただけると嬉しいです。
このシートの使い方
2つの側面に分け、それぞれにチェック項目を設けています。
ハードスキル:言語やフレームワーク、設計のスキル
ソフトスキル:報連相スキル、コミュニケーションスキル、調整能力
全てにチェックが入っていれば、独立OKという基準です。
ハードスキル
ハードスキル_チェックシート
| 名前 | 補足 | チェック |
|---|---|---|
| 1つの言語+フレームワークを用いて、1人で1つのWebアプリを作り切れるか | バックエンド:CRUD操作、認証認可、ストレージの操作、メール配信、SQL操作 フロントエンド:デザイン通りに実装、API連携、画面が重くなったときに原因を調べて直せる その他:Docker, git, Linuxコマンド, AWS or Google Cloudの操作 を他者を頼らずにできればOKです。 フロントエンド〜バックエンドまで一貫してできる(フルスタック)であることが基本望ましいです。 なお、ここでの「他者を頼らず」は、「AIを使わず」という意味ではありません。 AIを使って作り切れて、かつ中身を自分で説明できるなら、それでOKです。 | ☐ |
| 業界3年以上のエンジニアのコードレビューを10回以上受けたことがあるか | ただ「作れる」だけではOKとは言えません。 チーム開発で周りに迷惑をかけない実装であったり、 ある程度保守性の高いコードを書ける状態であることは必須です。 ベテランのコードレビューを少なくとも10回は受けていて、その考え方を身につけていればOKです。 ※ 今は命名やエラーハンドリングといった定型的な指摘はAIがやってくれるので、 人間のレビューで飛んでくるのは「この設計で良いのか」「この仕様で合っているのか」という話が中心です。 そこまで踏み込んで議論した経験があるかどうかが、そのまま独立後の評価につながると思います。 | ☐ |
| 使ったことのない技術を他者を頼らずに基本レベルまで習得できるか | フリーランス独立後も、経験のない技術へのキャッチアップが必要になる機会は多いです。 その際に、いちいち他者を頼っていると、やはりフリーランスとしてやっていくのは難しいです。 深いところまで理解できなくとも、全体像と基礎を習得する自走力が必要です。 ただ、全体像を掴むところまでは、今はAIに聞けばすぐです。 なので自走力の中身は、AIの答えが本当に正しいかを公式ドキュメントで確かめられるか、に変わってきたと思います。 AIが自信満々に間違えることを知っていて、その前提で確認できる人は強いです。 まだこういった経験がないという場合でも、会社員でも常に新しい技術を学んで、チームに提案する習慣を身につけておくと良いと思います。 | ☐ |
| 実務経験期間が1年以上あるか(副業での参画実績でも可) | 本質的には期間は関係ない(スキルがあれば良い)のですが、 やはりある程度の実務経験がないと、土俵にも立てずに話を聞いてもらえない場合が多いです。 エージェント経由で案件を探す場合、実務1年あたりが実質的な下限になってきています。 1年の実務経験があればOKです。 ※ ただ、1年時点だと「選べる案件は多くない」のも正直なところです。 副業での参画実績も、立派な実務経験としてカウントしてOKです。 (副業から始める話は、このページの最後にも書いています) | ☐ |
| 他のエンジニアのコードレビュー経験がある(最低10回) | フリーランスエンジニアは即戦力なので、 「新人エンジニアを教育してほしい」というニーズで採用されることも少なくありません。 その際、コードレビューの実施は必須となってくるので、コードの妥当性や保守性を評価したことがあるという経験は必須です。 AIのおかげでコードが出てくる量は増えましたが、それを見る側の人はあまり増えていません。 なのでレビューを任せられる人の価値は、以前より上がっていると思います。 | ☐ |
| AIに書かせたコードを、自分でレビューして直してから納品したことがあるか | AIに書かせて、それを自分でレビューして、直して出す。 この一連を実務でやったことがあるかどうかです。 中身を見ないでそのまま納品してしまうと、さすがに次の依頼はもらえないと思います。 逆に、仕様と設計を自分の言葉で説明できて、 AIの出力の誤りに気づいて直せるなら、それでOKです。 ※ ここができていれば、実装スピードは人より遅くても大丈夫です。 速く書けることより、出てきたものを判断できることの方が、今は見られています。 | ☐ |
ソフトスキル
ソフトスキル_チェックシート
| 名前 | 補足 | チェック |
|---|---|---|
| 日常的に進捗の報連相を自発的に行えているか | どんな職場でも、進捗の見えにくい人は「扱いにくい」と思われがちです。 また、フリーランスを使う企業はどこも忙しい場合が多く、外注者の管理にあまり時間を使えません。 常に、自分がどんな状況で作業を進めているのか、周りの人に見えるように自発的に報連相することが重要です。 | ☐ |
| ビジネスサイドの人やデザイナーとコミュニケーションをしながら仕事を行ったことがあるか | Webアプリの開発は「仕様がかっちり決まっていて、それを実装するだけ」という場合は稀です。(大企業なら決まっていそうですが、フリーランスを使う企業でこういうケースは基本ないでしょう) なので、詳細の仕様はビジネスサイドの人やデザイナーとの日常的なコミュニケーションで決まっていくことが多いです。 「自分は開発だけしたいから仕様決めは任せる」スタンスだと効率よく進まないので、こういったコミュニケーション経験があると、活躍しやすいです。 | ☐ |
| 曖昧な要望から、自分で仕様を切り出して提案したことがあるか | 「こういう機能が欲しい」だけ渡されて、そこから先が決まっていないことは本当によくあります。 そこで止まってしまう人と、 「じゃあこういう仕様にしませんか」と一段具体化して持っていける人とで、 現場での扱われ方がかなり変わります。 これが調整能力の話で、今のところAIが代わりにやってくれない部分でもあります。 僕が面談で見ているのも、結局こういうところだったりします。 | ☐ |
補足(社内のスーパーエンジニアに及ばなくても独立はOK)
現状、チェックがつかない項目があっても、問題ありません。
これらを再度意識して、今の業務に取り組んでみてください。
どれも、意識して取り組んでいれば必ず身に付くスキル・経験です。
逆に、これ以上のスキルは無くても問題ないです。
会社に就職すると、経験20年以上のベテランエンジニアや、有名OSSにコミット経験のあるスーパーエンジニアの方などと接することもあり
「この人たちが会社員で働いているんだから、まだまだ自分なんか独立できない」
という感覚になりやすいです。
※ 特にWebエンジニア業界は、ハードスキルのレベルで序列が出来がち、、
ただ、実際にフリーランスになってみると、逆にこういうスーパーエンジニアはほぼいません。
正社員として活躍するスキルと、フリーランスで活躍するスキルは別物だと思います。
企業の正社員エンジニアに最も求められるのは、製品を熟知した高い専門性で、
フリーランスに求められるのは、任された機能を最後まで一人で完結させるスキルが中心だと思います。
(もちろんフリーランスも、専門性が高い方が単価は上がりますが)
ただ、この「完結させる」の中身は、ここ数年でかなり変わったと思います。
コードを書くこと自体は、今はAIがかなりやってくれます。
なので今の「完結させる」は、
AIに実装させながら、要件と設計と品質の責任を自分が持つ、という意味になってきていると感じます。
あと、意外に思われるかもしれませんが、
今はハードスキルよりも、ソフトスキルの方が差がつきやすいです。
実装の速さで差がつきにくくなった分、
話が通じることや、進捗がちゃんと見えることの方が、価値が上がっていると思います。
この辺りはフリーランスになってみないと感じれない部分でもあるので、
フリーランスになりたい方は、上記のチェックが全て埋まる状態になれば、
社内のスーパーエンジニアに遠く及ばないと思っていても、
もう独立の準備はできていると思います。
ひとつだけ、順番のおすすめがあります。
いきなり退職せずに、まずは副業で1〜2件やってみてほしいです。
独立できるかどうかの一番の判断材料は、
「会社の外の人からお金をもらって、満足してもらえたか」だと思っていて、
これはチェックシートより正確だったりします。
そこで手応えがあれば、あとはスパッと独立してしまって良いと思います。
※ ちなみに2024年11月にフリーランス新法が施行されて、
報酬の支払期日や一方的な減額については、法律側の守りがかなり厚くなりました。
「個人だから買い叩かれるんじゃないか」という不安は、昔よりは減っていると思います。
フリーランスになってからでも、いくらでもスキルアップはできるので。


